| ■ アトリエ五狼 ■
個展履歴
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佐藤 和行
火焔のクニ、越後に生(あ)れし
プロフィール
1950年、長岡市生まれ。
長岡市商業高校中退後、彫刻家、ハムメーカーを経て、毎年2月までアダチ造形社(長岡市)勤務。
「独立して最初の仕事が印象的なものだった」と表情を崩す。縄文時代の越後を表現する火焔(かえん)土器の文様をかたどったオブジェ「過去への門」を制作した。新潟県立歴史博物館前に置かれたこのオブジェは長岡ロータリークラブが企画し、同クラブから相談を受けた小林達雄館長が適任者として佐藤氏に白羽の矢をたてた。
食品メーカーの営業マンとして23年間働いた。「コンビニへの対応で盆も正月もない仕事生活に疑問を持ち、独学で会得した油絵やレリーフの腕を生かして造形会社に転じた。だが、ここでも営業的な仕事が多かった。「五十歳を目前に何か残せるか考えると、自分で行動を起こす必要を感じた」という。
小林館長との出会いは暦博を飾る壁の造形。会社で受けた仕事で名前は刻まれない。「この仕事に携わるうちに、自分の仕事として取り組む方が向いていると感じた。」三人の子供はすでに就職し、家族も造詣かとしての出発を応援してくれたという。
これからレリーフや絵画、立体像など様々な作品に取り組む。目指すのは「対話できるアート」で、「芸術作品と遊具の間に位置して子供も大人も楽しめる、五感で体験できる作品。独り善がりの芸術作品はだめですね。」と話す。
オブジェの制作は下絵書きの段階から完成まで半年かかった。制作費は三百万。「台座に付けた解説板だけで五十万円かけた。収入は会社勤めのころより少ない」と頭をかく。
オブジェの高さは三.四メートルだが、何十メートルもの巨大建造物を想定し、そのミニュチュアとして作った。バルセロナで建築家ガバディが建築に着手した聖家族教会のように、百年単位の時間をかけて完成させる構想も浮かんでいる。「生きている意あだに完成した姿を見ることはないが、これからも頭のどこかで常に意識せざるを得ない」。立ち上がりにかかった一人として、仕事のスケールの大きさに身震いしている。
2001年6月2日 日本経済新聞より
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